雇用している外国人について、
「オーバーステイになってしまっていたことを知らなかった」
「実は就労できる在留資格を許可されていなかったことに気付かなかった」など
雇用管理に過失がある場合、『不法就労助長罪』に問われる危険性があります

平成24年7月9日より、出入国管理及び難民認定法(入管法)が改正され、いわゆる「過失による不法就労助長罪」が新設されました。
これにより、企業における外国人雇用管理の必要性が高まっています。

(参考条文)出入国管理及び難民認定法 第73条の2

入管法 第73条の2

第1項

次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
2 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
3 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為または前号の行為に関しあっせんした者

第2項

前項各号に該当する行為をした者は、次の各号のいずれかに該当することを知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りではない。
1 当該外国人の活動が当該外国人の在留資格に応じた活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける
  活動であること
2 当該外国人が当該外国人の活動を行うに当たり第19条第2項の許可を受けていないこと
  (=資格外活動許可のことを意味します)
3 当該外国人が第70条第1項第1号から第3号の2まで、第5号、第7号、第7号の2または第8号の4までに掲げる
  者であること 
  (=不法滞在者のことを意味します)

「不法就労助長罪」の具体例

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留学生をアルバイトさせていたが、在留カードの資格外活動許可欄を確認しなかったところ、当該留学生は資格外活動許可を取得せずに就労していた。
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「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有する外国人を、工場の製造ライン業務の担当とし、単純労働に従事させていた。
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海外の現地法人から外国人従業員を「短期滞在」で招へいし、日本の業務に従事させ、現地法人から出張手当として日本での業務に対する報酬を支払った。

上記は、いずれも「不法就労助長罪」に該当し、罰則規定の適用を受けるおそれのある事例です。

適法・適正な『外国人雇用管理』を行うことによって、このような“過失”(=知らなかった、気づかなかった)による不法就労助長罪のリスクを回避することができます。